レビュー マツダ・ロードスター 20周年記念車 RHT メーカーOP装着車 6AT FR

前回(といってもNCになったばかりの頃)乗ったときはそれほど面白みを感じなかったのですが、TopGearを見ていて乗ってみたくなったので、近くのマツダへ行ってみました。
今回見た仕様はNC(現行世代)で一番珍しい、記念車+メーカーオプション装着+オーディオレス(!)という組み合わせ。実はメーカーオプションをつけると、BOSEサウンドシステムとBBSアロイホイールが手に入る代わりに、決まったナビしか付けられなくなります。もちろんこの試乗車、ナビはついていません。試乗車としてのお役目が終わったとき、どうやって中古販売するんだろうと思ってしまいます。
乗り込むとこれまたタイト。ソフトトップの比ではないと思います。けど、レカロの本皮シートという特別な仕様なので、これはこれで満足ともいえます。
運転はオートマなのでカンタン。若干視界はタイトですが、前に進む限りでは特に問題もありません。
途中直線に入ってメーターを見てみましたが、30mph*1しか出ていませんでした。それでもなんとなく楽しい。たった30mphなのに楽しい。なぜ楽しいのかはよく分かりませんが、とにかく楽しい。不思議なクルマですね。
ディーラーに戻り、バック駐車。これがまたとってもカンタン。最近の5ナンバーと違って小回りが効くので、取り回しは抜群です。前が長いわりに後ろが短いのもメリットです。
ハードトップはちゃんと作られているので、オープンにしても荷物が積めます。親友と、彼(女)と、つれあいと、子どもと、母と、買い物にも行けます。ホームセンターに行っても、貸し出しの軽トラがあるので安心です。室内空間はタイトかつ静かなので、他愛もない話をしながらドライブをしても、「次はどこ行こうか」と店をはしごしても、それは楽しいものだと思います。もちろん、一人でCDを聴きながらあてもなく走るのも。
クルマの欠かせない地方では、今や4人家族でも、軽トールとミニバンという組み合わせが半ば常識のようになっていますが、正直なところ私は、ロードスターとキャロルで困る日なんて10年に数回だと思います。ただし、クルマで家族旅行をするだとか、3人目ができたとか、そういった家庭はロードスターとミニバンという組み合わせじゃないと困るかもしれませんね。
なくていいものを、ないといけないように書く車雑誌のおかげで、あれもこれも「ない」クルマは衰退しました。今の日本車は、多くがなんとか「ある」クルマと、何でも「ある」車だけになってしまった。そう言い切らずに済むよう、ロードスターには日本車として存在し続けてほしいと思います。

*1:30mile-per-hour.時速30マイル。換算値で48km/h。国内仕様のロードスターはkm/h表示なので、50くらいだと思っていただければいいです。