試乗レビュー ラパンX・T

今回は雨の中ラパンに乗ってきました。
まずはTから。インテリアはブラック1種で、正直なところNAグレードのブラウンくらい用意してもよかったかなとは思いますが、その点はおそらく初代のモードみたいなグレードが後々展開されるでしょうから、それを待つことにしましょう。
外観はやはり多くの方が思われる通り、先代キューブに近い、四角と丸が同居したデザインに変更されました。後ろのコンビランプやフロントの角なんかは、もうちょっと四角いままの方がラパンらしくてよかったかなとは思いますが、比較的キープコンセプト(ほぼ同じ方向性)ではある気がします。
今回のモデルチェンジで最も大きいのは、やはりクルマの基本となるハード面の大幅な変更でしょう。プラットフォーム(基礎)は先代アルトから現行ワゴンR系ベースへと変更になり、タイヤも14インチをはくなど、走りに期待が持てる設計となっています。実際にTを走らせてみると、高い基本性能がよく分かる、かっちりとした設計になっています。アルトは現行もゆるいハードであることを考えると、キャラクターに対して過剰な性能に思えなくもないですが、そこは安全をまじめに考えた結果だろうと思います。
対するXは、ブラウンのほかにベージュのインテリアも用意されていて、最近のクルマにはほとんどみられなくなった、明るい車内になっています。ベージュ系は駐車時の焼けも少ないんで、ホントは私もその方が好きなんですけどね。ただ、インパネ正面のパネルが、ちょっとタイル1枚のような冷たい感じがして、オレンジ系のタイルと交互に配置する等、ちょっと工夫がほしかったかなと思います。ここは器用な方、いろいろ遊んでみると面白いかもしれません。
Xの走りはかっちりながらも軽らしいのんびりしたもので、高速も4人乗車もこれ1台のTに対して、街乗りの印象が強い乗り味でした。通勤や買い物が主なら、Xやお買い得なGがいいかもしれませんね。インテリアも車体色に合わせてブラウンとベージュの2種類ありますし。
総合的な感想としては、正直こういうのほしいなと、早くモードとか男が乗ってもおかしくないグレードが出ないかなと、そう思いました。セダンライクなポジションも、程よい包まれ感も、それでいてほどほどのひろびろも、ラパンにしかない独特の心地よさですし、モデルチェンジでさらに磨きがかかったように思います。極個人的には、何でもいいなら目で戦うワゴンRやカスタムなムーブより、お気楽ラパンです。